【ピアノ】音色の引き出しが広がらない場合の広げ方

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音色が多彩な演奏には憧れると思います。
では、どうすれば出せる音色を広げることができるのでしょうか。
本記事では、テクニック面以外の視点で解説します。

 

ショパンコンクールから「学習」しよう② 〜音色編〜

という記事の中で

以下のように書きました。

最後まで弾けているのに、
止まらずに弾けているのに、
大きなミスはしていないのに、
指もよく動いているのに、
パス(通過)する方とそうでない方が出てくる。
この理由の一つは
「音色の使い分け」にある。

 

では、ピアノで出せる音色を広げるためには

どのようにすればいいのでしょうか。

テクニック面についてはこれまでにも記事にしてきましたが、

テクニックが上がって音色が多彩になるには

ある程度の時間がかかります。

そこで今回は、

もっと取り組みやすい方法と言いますか、根本的な方法をお伝えします。

 

「出せる音色の広げ方」

それは、

「これはこういうものだ、という固定観念にとらわれすぎないこと」

これなんです。

 

例えば、

「ソフトペダル(シフトペダル)」

をどういった時に使いますか?

おそらく、

◉ 音量を控えたいとき
◉ 音量を控えて、なおかつ、音色をくもらせたいとき

などが一般的でしょう。

 

もちろん、それでOKです。

しかし、そこで思考が止まってしまうと伸びないのです。

以下のように考えて音を出してみたことはありますか?

◉ ソフトペダルを踏んだまま ff で演奏したら、どんな音色が出てくるだろう?
◉ そのときに、ダンパーペダルを踏んでいる場合とそうでない場合とで、どのように音色が変わるだろう?

このように考えて、

興味を持って、

聴きたくてウズウズしながらピアノへ向かう。

その繰り返しで

自分の知っている音色が増えていきます。

「百聞は一見に如かず」であり、

自分で音を出してみて記憶しなければ

一生覚えていられる宝物にはなりません。

 

「これはこういうものだ、という固定観念にとらわれすぎないこと」

とはこういうことであり、

逆の発想などをして試してみることが

あなたの引き出しを増やしてくれるのです。

 

また、グランドピアノとアップライトピアノでは

ソフトペダル(シフトペダル)の構造自体が異なるので

同じやり方をしても

出てくる音色に差があります。

こういった細かなことにも興味を持ちましょう。

 

「自分はグランドピアノしか持っていないから、興味ない」

などという考えではいけません。

どんなピアノでも触る機会は訪れるものです。

それに、

「構造」や「チェレスタペダル / セレストペダル(マフラーペダル)」などが理由で

アップライトピアノにしか出せない音色は多いので、

そこに作曲家が目をつけて

アップライトピアノ用の作品も生まれています。

加えて、

「ショパンはアップライトピアノを非常に好んだ」

という事実も軽視することはできません。

 

自分の可能性を自分で狭めないでください。

ものの見方を四畳半にしないでください。

そして、

これはこういうものだ、

という固定観念にとらわれすぎないでください。

 

これらが

出せる音色の広げるためにもっとも大切な

テクニック以外の部分です。

 

【補足】
実は、”グランドピアノのソフトペダル” の場合、
踏むことで踏まない場合よりも減衰時間が長くなります。
詳細は割愛しますが、
簡単に言うと
鍵盤が横ずれされることで叩かれなかった弦」
も振動することによる
「位相ずれ」が理由です。
したがって、
「減衰時間が長くなった独特な消え際を聴かせるのも、音色の工夫の一種」
と言えるでしょう。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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