「反復法」とは修辞法の一種で、
同一または類似の語句を繰り返す技法です。
例えば、
という文章があるとします。
印象を強めることが狙いのひとつでもあるわけですが、
この例文の場合、
ひとつ目の「絶対」よりも
ふたつ目のそれのほうが
より重みが入って強調されますよね。
こういった感覚がピアノ演奏でも重要なんです。
という記事の内容を復習しておきましょう。
具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
譜例(PD作品、Finaleで作成、2-3小節目)
①②③④⑤と5つの番号を書き入れましたが、
Ges音が5回続きますね。
この5つのGes音のうち、どのGes音にいちばん重みが入ると思いますか。
正解は、④です。
普通に考えると、⑤とも捉えがちです。
しかし、ドビュッシーは
「④から⑤にかけてデクレッシェンドを書いている」
ということと、
「④にはテヌートを書いている」
ということから判断すると、
④に一番重みが入ると解釈できます。
①②はフレーズの中で経過的に通り過ぎる短い音なので
それほど重みは入りません。
③はフレーズの最後の音なので、大きくならずにおさめるのが普通です。
これも言ってみれば、音楽でいう反復法。
音楽的なリズムを整えたり、
いちばん言いたいことを強調するために
軸となる同じ音が反復されているのです。
同じ音が何度も出てくるときには
必ず、その意図を考えてみましょう。
また、
実際の文章で反復法が出てきたときには
ラッキーだと思って
是非、是非、学習してみましょう。
この「是非」の繰り返しも反復法です。
「絶対、あの曲が弾けるようになりたい」
ではなく、
「絶対、絶対、あの曲が弾けるようになりたい」
にした場合、どのような表現の違いがあるのか。
「毎日練習する」
ではなく、
「昨日も今日も明日も練習する」
にした場合、どのような表現の違いがあるのか。
反復法を理解すると、音楽的な演奏に近づきます。
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