- 【ピアノ】先生に聞けない素朴な疑問10選:真面目に答えるQ&A集 vol.24
- ► はじめに
- ► 質問集
- ‣ Q1. 自分の弾いている姿を鏡で見たら、顔が必死すぎて引いた。対策はある?
- ‣ Q2. ストリートピアノで弾いた後、知らない人にダメ出しされた。無視していい?
- ‣ Q3. 少しだけ酒を飲んでステージに上がるのはタブー?
- ‣ Q4. 無調音楽が全く理解できない。理解できないまま弾いてもいい?
- ‣ Q5. コルトーなどの基礎指導しかしてもらえない。期待されていない?
- ‣ Q6. 先生が他の生徒と比較するような発言をする。聞き流していい?
- ‣ Q7. 先生にお礼のメールを送ったのに、返信がそっけないのが気になる…
- ‣ Q8. 先生に借りたCDを返し忘れて半年経った。今さらどう返すべき?
- ‣ Q9. レッスン中に大きな地震が起きた。先生を守るべき? ピアノを守るべき?
- ‣ Q10. 先生との信頼関係を深めるために、レッスン中以外でできることはある?(補足)
- ► 終わりに
【ピアノ】先生に聞けない素朴な疑問10選:真面目に答えるQ&A集 vol.24
► はじめに
・「こんなこと、先生に聞いていいのかな…」
・「ググっても明確な答えが出てこない…」
こういった、聞きにくいけど実は気になるピアノ関連の疑問に、真面目に答えます。レッスンに通っている方はもちろん、スポット(単発)レッスンを受ける独学の方にも参考になる内容です。
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► 質問集
‣ Q1. 自分の弾いている姿を鏡で見たら、顔が必死すぎて引いた。対策はある?
結論:「不意打ちチェック・置き鏡・小さな楽譜は使わない」の3つで解決
いわゆる「顔で弾いている」状態ですね。力みが顔に出てしまっているのでしょう。
対策① 不意打ちチェック
タイマーをランダムな時間(5〜15分後など)にセットし、鳴ったタイミングで即座に自分の顔と姿勢をチェックします。練習に集中している、つまり「油断している」ときの自分を客観視できるので効果的です。筆者も姿勢改善に取り組んでいた時期に活用していました。
対策② 置き鏡の活用
ピアノの横に鏡を置きっぱなしにしておきます。全身鏡でなくても、上半身が映る大きさがあれば十分です。
鏡を意識的に見るのではなく、練習中にふと視界に入ったときに「あ、また力んでる」と気づけることが重要なので、置いたら忘れてしまって構いません。むしろそのほうが、自然な状態を確認できます。
対策③ 環境の見直し
「覗き込まないと見えないような小さな楽譜」は使わないようにしましょう。楽譜が小さいと、無意識に前のめりになり、顔や肩に力が入ります。
根本的な原因を取り除くことで、自然と表情も穏やかになります。
‣ Q2. ストリートピアノで弾いた後、知らない人にダメ出しされた。無視していい?
結論:無視して構わない
アドバイスやダメ出しは、求めたときに来るものだけ受け取る価値があります。
知らない人から突然言われるダメ出しは、仮にその内容が的を射ていたとしても、失礼であり迷惑です。これは「アドバイス」の形をしたマウンティングに過ぎません。
ストリートピアノは誰もが自由に楽しむ場所。他人の演奏に勝手に口を出すのは、場の空気を読めていない行為です。気にせず、自分の演奏を楽しんでください。
‣ Q3. 少しだけ酒を飲んでステージに上がるのはタブー?
結論:お酒を飲んで楽しむ企画でない限り、完全NG
マナー面での問題
特にコンクールや発表会など、未成年が多くいる場では絶対に避けるべきです。
・教育的観点から不適切
・公平性の問題(他の参加者は飲んでいない)
・指導者や主催者からの信頼を失う
演奏面での問題
お酒を飲んだ後に自宅でピアノを弾いた経験がある方は分かると思いますが、ピアノはミリ単位のコントロールと瞬時の判断の連続です。少量でも以下の影響が出ます:
・反応速度が落ちる
・指の微妙なコントロールが甘くなる
・注意力が散漫になり、暗譜にも悪影響
さらに危険なのは心理的依存
仮にでも一度うまくいってしまうと、「飲まないと弾けないかも」という変な依存が生まれる可能性があります。成功体験が「酒頼み」になるのは、メンタル面でも非常に厄介です。
例外はある
ジャズやポップス、バーでの演奏などでは、雰囲気作りや社交の一環として軽く飲む文化や企画もあります。ただしそれも、「影響が出ない量を完全に把握している人」限定です。
基本的には、真剣な演奏の場では飲まないのが賢明でしょう。
‣ Q4. 無調音楽が全く理解できない。理解できないまま弾いてもいい?
結論:構わない。むしろそこからスタート
無調音楽は、美しいメロディやハーモニーを楽しむのとは違う楽しみ方ができる音楽です。
最初から理解できなくて当然
まずは以下のような楽しみ方を試してみてください:
・瞬間的な響きを味わう
・無調音楽の中にふと現れる「分かりやすい部分」を見つける
・音の配置や動きのパターンに注目する
・作曲家がなぜこの作品を作ったのか想像する
理解を深めたくなったら
特に無調音楽の黎明期(シェーンベルク、ベルク、ウェーベルンなど)については、ピアノ曲の分析本も多く出ています。参考にしながら少しずつ理解を深めていくのもいいでしょう。
楽しみ方のコツ:短い作品から
まずはごく短い作品から取り組んでみることをおすすめします。以下の記事で紹介している作品から始めてみてはいかがでしょうか。
・【ピアノ】無調音楽入門:シェーンベルク「6つの小品 Op.19(1911)」
・【ピアノ】ブルグミュラー25の練習曲修了後に弾きたい近現代名曲3曲:3分以内(ウェーベルン「子供のための小品」を紹介)
「理解できない」と諦めず、まずは「触れてみる」ことから始めましょう。
‣ Q5. コルトーなどの基礎指導しかしてもらえない。期待されていない?
結論:むしろ逆。期待されている可能性が高い
これは意外かもしれませんが、基礎技術の指導は、美しい楽曲を教えるよりも大変なのです。
なぜ、基礎指導は大変なのか:
・指先や身体の使い方など、細かい部分を丁寧に見る必要がある
・すぐに効果が見えにくく、生徒のモチベーション維持が難しい
・指導者側も楽曲指導ほど「楽しい」と感じにくい
それでもあえて基礎指導に時間を割いているのは、生徒の将来を見据えて、しっかりした土台を作ろうとしているからです。
傾向として
基礎指導を一切せず、楽曲だけを次々に進めるレッスンのほうが、むしろ「期待されていない」ケースが多いでしょう。基礎をしっかり教えるのは手間がかかりますから。
今は地味に感じるかもしれませんが、この時期に築いた基礎が、後々大きな差となって現れます。
‣ Q6. 先生が他の生徒と比較するような発言をする。聞き流していい?
結論:内容による。変えられない部分の比較なら、はっきり伝えるべき
レッスンでは会話が生まれます。教室の話やピアノの話、つまり「他の生徒の話題」が出る可能性もゼロではありません。
基本的には聞き流してOK
「○○さんはこういう練習をしていてね」といった情報共有や軽い比較程度であれば、気にする必要はありません。悪気なく話しているだけのことがほとんどです。筆者自身も生徒側として経験があります。
ただし、例外もある
手の大きさ、体格、身体的特徴などの「変えられない部分の比較」による否定の場合は、傷ついた旨をはっきり伝えるべきです。
相手の反応を見る
「ごめんなさいね」の一言がなかった場合は、別の教室を検討してください。
こういった部分を比較されると、指摘された側はどうすることもできず、一生心に残ります。あなたの気持ちを尊重してくれる先生のもとで学ぶほうが、長く続けられます。
‣ Q7. 先生にお礼のメールを送ったのに、返信がそっけないのが気になる…
結論:過度な期待に注意。返信があるだけでありがたいと考える
気になる理由は2つ考えられます:
① 嫌われていないか心配
日頃の対面でのやり取りが通常通りであれば、全く問題ありません。メールの文面だけで関係性を判断するのは早計です。
② サービス対応が悪いと感じている
これは過度な期待かもしれません。むしろ、返信が来たこと自体に感謝しましょう。
覚えておきたい3つのこと:
・レッスン時間外の対応は特別なサービスとして認識する
・たとえ普段の人間関係が良好でも、時間外のメール返信を当然と思わない
・質問は可能な限りレッスン時間内のみで行う
先生も人間です。プライベートな時間があります。「そっけない」と感じるのは、もしかしたら忙しい中で返信してくれた証拠かもしれません。
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‣ Q8. 先生に借りたCDを返し忘れて半年経った。今さらどう返すべき?
結論:一言詫びを入れて、即刻返す
1週間以内に会う予定がある場合
次回レッスン時に、一言詫びを入れて返しましょう。
それ以上空く場合
手書きの手紙を添えて、即刻郵送してください。
「何も言われないからいい」は大間違い
重要なのは、「返していない」ことを自分が認識し、行動することです。
先生が何も言わないのは、優しさや配慮であって、忘れているわけではありません。筆者も、貸したけれど返されなかった楽譜がありますが、言わなかっただけでずっと覚えています。それ以降は「返してください」とはっきり言うようになりました。
借りたものは必ず返す
これは音楽以前の、人としての基本です。半年経ってしまったからこそ、誠意をもって対応しましょう。
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‣ Q9. レッスン中に大きな地震が起きた。先生を守るべき? ピアノを守るべき?
結論:自分を守るべき
先生でもピアノでもなく、まず自分の身を守ってください。
事前準備が重要
前もって先生と以下のことを確認しておきましょう:
・地震が起きたらどこに避難するか
・レッスン室内から出ない場合、どこに隠れるか
音楽学校でもこうした確認は行います。個人宅のレッスンでも同様です。備えあれば憂いなし。次回レッスン時に、先生と話し合っておきましょう。
‣ Q10. 先生との信頼関係を深めるために、レッスン中以外でできることはある?(補足)
本項目は、先生との信頼関係を深めるために、レッスン中以外でできることはある?(Vol.17, Q8)の補足的内容です。
結論:基本的な約束を守ることに尽きる
シンプルですが、これに尽きます。約束を守れない人は本当に多いので、守っているだけで信頼を得られます。
具体的な「約束」とは
① 出席の約束
以下の理由での欠席は避けましょう:
・ちょっと気が乗らない
・後から入った他の用事を優先する
・天候が悪い(台風など危険な場合を除く)
「出席する」予定が入っているのであれば、それは約束です。本当に体調が悪い場合は別ですが、「なんとなく」での欠席は信頼を損ないます。
② 金銭の約束
「レッスン代を忘れた」は、次回持っていけばすべて解決するわけではありません。「この日に渡す」という約束を破ったことになります。
ポイントは「当日に色々やろうとしないこと」です。レッスン代は、前日にカバンに入れておくなど、忘れない仕組みを作りましょう。
③ 時間の約束
・無断欠席
・開始時間が過ぎてから連絡
・毎回遅刻(たとえ1分でも)
これらはすべて約束違反です。
立場を入れ替えて考えてみましょう。もし教室へ行ったら、先生がレッスンの約束を破って家族旅行へ行っていたらどうでしょうか?クレームになるはずです。
・お金を払っている側だけが偉いわけではない
・年齢が高い方が偉いわけでもない
・あくまでも人間同士の付き合い
この前提で不義理しない行動を選べば、自然と信頼関係は深まります。
► 終わりに
先生に聞けないこと、ググってもあまり出てこないこと、たくさんあります。そんな小さな疑問を一つずつ解決していくことでピアノ学習を楽しくしていきましょう。
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