ピアノ演奏では、
作曲家が残したメッセージをそのまま読み取ることも重要ですが、
それらのメッセージを参考にした
「インタープリテーション(自分の解釈に基づく演奏)」
これも必要。
それがあるからこそ、「個性」になります。
多くの音大では「音楽解釈」の授業があります。
さまざまなやり方があると思いますが、
例としては、
「毎週題材が用意され、講師と生徒で解釈について徹底的に話し合う」
または、
「授業の度に学外のピアニストや作曲家や力のある教育者が来て、
学内の優秀な学生がそのプロフェッショナルのレッスンを受ける。
そして、それをみんなで聴講して解釈を学ぶ」
などといった進め方です。
後者は、マリア・ジョアン・ピレシュが
NHK「スーパーピアノレッスン」で行っていた
ワークショップに似たやり方です。
単に演奏法や解釈を学ぶのではなく、それを通して、
◉ その講師は音楽をどう聴いているのか
さらに言えば、
「その講師にとって音楽がどのように聴こえているのか」
などといったことまで
聴講生は感じ取っていかなくてはいけません。
また、ワークショップ形式の場合は、
他の受講生モデルの演奏に対して意見を求められたときに
物怖じせずに、遠慮せずに、
自分の意見を伝えていく積極性も求められます。
なかなか刺激的な学習方法。
1対1でピアノレッスンを受けているときとは
違った角度で学びが深まっていく。
このような経験を積み重ねることで、
自身で解釈をほどこす力が向上していきます。
楽譜を正しく読むだけではなくて、
「それを元に、どのように解釈を施すか」
という部分が演奏家の腕の見せどころ。
このような「演出、プロデューシング能力」は、
楽譜をそのまま表現する事とは別に必要な力と言えます。
「音楽解釈」のクラスは
必ずしも音大の中に限ったものではなく、
調べてみると
ワンデイで開催されているものも多くありますので、
興味のある方は探してみてください。
◉ NHKスーパーピアノレッスン 巨匠ピレシュのワークショップ (NHKシリーズ)
Amazon著者ページ
https://www.amazon.co.jp/~/e/B0CCSDF4GV
X(Twitter)
https://twitter.com/notekind_piano
YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCBeXKaDXKd3_oIdvlUi9Czg
筆者が執筆しているピアノ関連書籍に加え、
数多くの電子書籍が読み放題になるサービスです。
コメント