【ピアノ】ピアノ音楽史の要点を43ページで学ぶ方法
► はじめに
ピアノ音楽史の学習は欠かせない知識の一つ。しかし、多くのピアノ弾きが以下のような課題を抱えています:
・音楽史の参考書が分厚く、学習に時間がかかり過ぎる
・体系的な学習方法がわからない
・知識を効率的に得たい
本記事では、「最新ピアノ講座」シリーズの2冊を活用し、バロックから近現代までのピアノ音楽史を合計43ページで効率的に学ぶ方法を紹介します。
・最新ピアノ講座(7) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅰ(音楽之友社)
・最新ピアノ講座(8) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅱ(音楽之友社)
► 推奨書籍の概要
‣ 使用する書籍
・最新ピアノ講座(7) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅰ(音楽之友社)
・最新ピアノ講座(8) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅱ(音楽之友社)
これらは本来、演奏解釈のための参考書ですが、鍵盤音楽史の権威である千蔵八郎氏による音楽史の要点がコンパクトにまとめられています。
‣ 各巻の特徴と構成
第7巻の内容(バロックから初期ロマン派まで)
第1章 チェンバロからピアノへ
・作品からみたピアノ音楽史(10ページ)
– ピアノ音楽の始まり
– 16世紀後半から17世紀へ
– J.S.バッハのクラヴィーア作品
– ヘンデルとD.スカルラッティ
– クープランとラモー, その他の作曲家
– チェンバロ音楽からピアノ音楽へ バッハの息子たち
第2章 古典派のピアノ音楽
・作品からみたピアノ音楽史(8ページ)
– ハイドンのピアノ作品
– モーツァルトのピアノ音楽
– クレメンティ その他
– ベートーヴェンとピアノ音楽
第3章 ロマン派のピアノ音楽
・作品からみたピアノ音楽史(15ページ)
– 19世紀前半のピアノの名手たち
– 性格的小曲の世界
– ショパンのピアノ音楽
– 文学的指向をみせたシューマン
– リストの重要性
– ブラームスの古典的な世界
– 19世紀後半の作曲家たち
第8巻の内容(後期ロマン派から現代まで)
第4章 20世紀のピアノ音楽
・作品からみたピアノ音楽史(10ページ)
– フランスのピアノ音楽
– ドビュッシーとラヴェル
– ドイツ, オーストリアでは
– ソヴィエトのピアノ音楽
– バルトークのピアノ語法
– 20世紀のその他の作曲家
‣ この書籍による学習の利点
・全てのピアノ音楽史部分を読んでも合計43ページと、非常に学習しやすい
・ピアノ音楽史に特化している
・ピアノの演奏解釈の書籍というだけあり、音楽史の内容からスムーズに解釈学習へ移行できる流れになっている
・各時代の最低限の知識を押さえた内容
・演奏解釈の部分も活用できる書籍
・「最新ピアノ講座」という定評のある書籍のシリーズ
► 効果的な学習方法
‣ 基本的なアプローチ
時代順の通読:
・各章の音楽史部分を連続して読む
・重要な部分をチェック
演奏解釈との連携学習:
・各時代の音楽史を復習
・対応する演奏解釈の章を読む
・実際の楽譜と照らし合わせる
‣ 発展的な学習法
レパートリー別の深掘り:
・自分の演奏曲の時代背景を重点的に学習
・関連する作曲家や作品についても理解を深める
演奏への応用:
・時代様式を意識した演奏法の研究
・同時代の他の作曲家との比較研究
► 応用と発展
‣ より詳しい学習のために
基礎を固めた後は、以下の専門書に進むことをおすすめします:
ピアノ音楽史 著 : ウィリ・アーペル訳 : 服部幸三 / 音楽之友社(287ページ)
・各時代の一通りの網羅
・作品そのものに関する記述は控えめで、その時代や作曲家について大きく捉えて語られていく
・「譜例が多い」というのが最大の特徴
鍵盤音楽の歴史 著 : F.E.カービー訳 : 千蔵八郎 / 全音楽譜出版社(804ページ)
・圧倒的情報量による、本格的にがっつり学びたい方に適した一冊
・ある程度、様々なピアノ曲の知識が無い読者には読み進めにくい構成
・辞書代わりに手元に置いておくのに最適
これら2冊の書籍については、以下の記事で詳しく解説しています。
‣ 学習の継続と深化
・定期的な復習と知識の更新
・演奏レパートリーの拡大との連携
・音楽史の知識を部分的に演奏に活かす具体的方法
► まとめ
43ページという限られた範囲ですが、ピアノ音楽史の本質的な流れを理解することができます。この基礎的な知識は:
・演奏解釈の深化
・レパートリーの効果的な選択
・時代様式の理解
に直接役立ちます。まずはこの効率的な学習法で基礎を固め、その後必要に応じて知識を深めていくといいでしょう。
・最新ピアノ講座(7) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅰ(音楽之友社)
・最新ピアノ講座(8) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅱ(音楽之友社)
【関連記事】
▶︎ 楽曲分析を体系的に学びたい方はこちら
楽曲分析学習パス
► 関連コンテンツ
著者の電子書籍シリーズ
・徹底分析シリーズ(楽曲構造・音楽理論)
Amazon著者ページはこちら
・SNS/問い合わせ
X(Twitter)はこちら
コメント