【ピアノ】楽譜の余白を快く使い切る方法

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【ピアノ】楽譜の余白を快く使い切る方法

► はじめに

 

本記事では、ピアノ練習をより効率的に、そして確実に進めるための「楽譜の余白活用法」について解説します。

 

► なぜ、余白に書き込むべきか

 

我々人間の記憶力には限界があります。ピアノ練習において、以下のような事柄はすぐに忘れがちです:

・レッスンで先生から指摘された大切なポイント
・練習中に気づいた楽曲理解内容
・つまずいた箇所とその解決策
・運指、ペダリング

これらの重要な情報を記憶に頼るのは危険です。

また、練習中に「ここをもっと良くしたい」と気づいても、練習の流れを中断させたくないケースは多々あります。そんな時は、せめて「何を解決したいのか」だけでも楽譜に書き込んでおきましょう。視界に入らないと記憶からも消えてしまいます。

 

► 余白活用の基本的な考え方

‣ 1. 書き込む場所の選択

 

楽譜への直接書き込み:

・メリット:該当箇所のすぐそばに情報があり、見落としにくい
・注意点:楽譜を見やすく保つため、文字は小さめに

別紙の活用:

・メリット:たくさんの情報を整理して書ける
・重要:必ず楽譜に挟んで保管する
・紛失防止:楽譜から離さない習慣をつける

別紙を活用する場合のあるあるが、面倒臭くなって見なくなることです。楽譜に直接書かれている場合は、嫌でも目に入ってしまうものですが、別紙の場合はそうはいきません。必ず、定期的に見直す癖をつけましょう。

 

‣ 2. 効果的な書き込み内容

 

技術的なポイント:

・運指
・ペダリング
・手の位置の移動に関する注意(「sopra(ソプラ)」「sotto(ソット)」など)
・リズムの取り方

表現に関する要素:

・作曲家が暗に示したフレージング
・強弱の付け方
・どんな音色を使いたいか
・テンポの変化

練習方法の記録 等:

・効果的だった練習手順
・メトロノームの設定値
・暗譜がうまくいかなかったところ

 

‣ 3. 場所別の活用法

 

上部の余白:

・曲全体の注意点や楽曲情報
・練習の全体目標
・テンポ設定

左右の余白:

・その「段」における具体的な注意点

格段の間の余白:

・その「小節」における具体的な注意点

下部の余白:

・次回への引き継ぎ事項
・その他、重要な気づき 等の自由なメモ

 

► 実践的なアドバイス

 

書き込みの基本ルール:

・必ず鉛筆を使用する(消しやすさが重要)
・楽譜の音符や記号を隠さない
・文字は読みやすく、しかし、小さめに
・定期的に見直して整理する
・書いたことで満足しないこと

効果的な活用のコツ:

・レッスン中の指摘はその場で書き込む
・練習中の気づきもすぐにメモする
・練習開始時に前回の書き込みを確認する(面倒臭くても、必ず徹底する)
・達成できた項目は消してもOK

別紙活用のポイント:

・楽譜に挟む
・該当小節番号も併記する(楽譜自体に小節番号が書かれていない場合は、ふっておく)
・楽譜から絶対に分離させない

 

► まとめ

 

人間の記憶力には限界があります。だからこそ、重要な情報は必ず書き留めることが大切です。楽譜の余白や別紙への書き込みは、我々の不完全な記憶を補完し、練習の質を高めるための重要なツールとなります。

「書かなくても覚えているはず」という考えは危険です。些細なことでも、気づいたらすぐにメモする習慣をつけることで、練習の効率が大きく向上します。

ただし、書き込みすぎて楽譜が読みにくくならないよう、バランスを取ることも重要です。自分なりの適度な書き込み方を見つけ、継続的に実践していきましょう。

 

関連内容として、以下の記事も参考にしてください:

【ピアノ】楽譜への書き込みの活用法と、作曲家の書き込みの解釈法
【ピアノ】運指の書き込みによる譜読みの効率化と練習管理法
【ピアノ】楽譜への書き込みから始める直感的楽曲分析

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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