具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
譜例(PD作品、Finaleで作成、5-8小節)
6-7小節に注目してください。
譜例に書き込んだようなペダリングをとることで
タイで伸びている和音の音響を
徐々に消していくことができる。
そうすることで
7小節2拍目のメロディB音を
背景としての音響の中から生まれてくるように聴かせられる。
「消えていく音響」と「生まれてくる音響」を
グラデーションさせる効果を演出することができるということ。
巨匠ツィメルマンなども採用している解釈ですし、
音楽が立体的かつ自然につながっていくため
検討してみるといいでしょう。
もちろん、
音響を完全に切ってから
7小節2拍目のメロディB音を始めても間違いではありません。
あくまで解釈のひとつですので。
(再掲)
あるセクションから次のセクションへ移るときに
このようにグラデーションさせるほうがいいのか、
それとも、完全に音響を切ってから次を始めるほうがいいのか。
あるいは、どちらでもOKなのか。
これらの判断は
正直、楽曲のその箇所ごとに判断していくしかありません。
判断基準として
ひとつ踏まえておくといいのは、
「音楽が続いているかどうか」という観点。
今回問題としているところの場合は、
セクションこそ終わっていますが
音楽がガラリと変わっているわけではなく
また1小節目からのメロディが繰り返される。
したがって、
ひと続きのものとして
今回のような解釈が認められるわけです。
反対に音楽がガラリと変わっていたり、
明らかに新しい音楽へと入っていく場合は
完全に音響を切ってから次を始めたほうがベター。
このあたりの判断も含めて「解釈」ではありますが、
最低限の判断基準だけは
外さないようにしておきましょう。
「グラデーション」という発想を持とう
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