【ピアノ】ブルグミュラー25の練習曲修了後に弾きたい近現代名曲3曲:3分以内
► はじめに
ブルグミュラー25の練習曲を修了するまでの学習で身につけた技術を活かしながら、より豊かな音楽表現を学べる近現代作品を3曲厳選しました。どの作品も演奏時間が3分以内で、発表会やレッスンでの使用にも最適です。これらの作品を通じて、20世紀の多様な音楽様式を体験してみましょう。
► 厳選した3つの名曲
選曲基準:
以下の3つの観点から慎重に選曲しました:
1. 演奏しやすさ:ブルグミュラー修了レベルで無理なく取り組める技術的難易度
2. 楽譜の入手性:信頼できる楽譜が容易に入手できること
3. 音楽的価値:一生のレパートリーとして価値のある作品であること
全て別の国の作曲家の作品をチョイスしています。また、ドビュッシー「月の光」「亜麻色の髪の乙女」などの、どのサイトを見ても書かれているような作品は避け、ややマイナーでありながらも注目すべき作品を選びました。
難易度について
本記事では、ブルグミュラー「貴婦人の乗馬」を★★★☆☆として、5段階で各曲の難易度を表示しています。
‣ ドビュッシー「小さな黒人(ケークウォーク)」
譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、曲頭)
難易度:★★★★☆(全音ピアノピース難易度C)
演奏時間:約1分50秒
作品概要:
アメリカ発祥のケークウォークダンスのリズムを取り入れた、愛らしい小品です。有名な「子供の領分 6.ゴリウォーグのケークウォーク」と類似した素材を使用していますが、こちらの方がより親しみやすく、演奏技術的にも取り組みやすい作品となっています。
推奨楽譜:
デジタルデータ(PDF)で手に入れたい方は、「ぷりんと楽譜」を利用するのもおすすめです。
原曲の楽譜に様々な解釈が補足された実用版:» 小さな黒人
紙の楽譜で手に入れたい場合は、以下の原典版(批判校訂版)を選ぶといいでしょう。信頼のおける全集に基づく楽譜です。
・ドビュッシー 小さな黒人 デュラン版
‣ ウェーベルン「子供のための小品」
譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、曲頭)
難易度:★★★☆☆(全音ピアノピース難易度B)
演奏時間:約1分30秒
作品概要:
ウェーベルンが残した数少ないピアノ作品の中で、最も親しみやすい入門作品です。1924年の作品で、後に作曲される「ピアノのための小品」よりもさらに演奏しやすく、手の小さな方でも無理なく演奏できるよう配慮されています。
無調音楽への第一歩としても最適で、従来の調性音楽とは異なる音の世界を体験できます。短いながらも、ウェーベルン特有の繊細な音響を味わえる貴重な作品と言えるでしょう。
無調音楽初挑戦の方のための学習のポイント:
・とにかく弾き込んで、無調音楽特有の音程感覚に慣れること
・各音の音価と休符を正確に守る
・音と音の間の「間(ま)」を大切にした演奏を心がける
推奨楽譜:
この作品に限らずウェーベルンの楽譜は「Universal Edition(ユニヴァーサル・エディション)」が標準的ですが、全音ピアノピースを確認してみたところ、内容的に問題ありませんでした。よりリーズナブルでおすすめです。
・ウェーベルン:こどものための小品(PP-285)
‣ カバレフスキー「ソナチネ 第1番 ハ長調 Op.13-1 第1楽章」
この作品は著作権保護期間中なので、譜例は掲載できません。
難易度:★★★★★
演奏時間:約2分30秒
作品概要:
1930年作曲と比較的新しい作品でありながら、調性的で耳馴染みの良い美しい和声を持つ作品です。ファンファーレのように華やかに始まる冒頭部分は聴衆の注意を引きつけるため、発表会でも非常に効果的に使用できます。
推奨楽譜:
この作品は教育向け作品として知られており、日本の出版社による日本語で解説も読める楽譜が広く使われています。
・カバレフスキー 2つのソナチネ 解説付 全音楽譜出版社
► 作品比較表
曲名 | テン ポ |
主な学習効果 | 重点練習ポイント |
---|---|---|---|
ドビュッシー 小さな黒人 | 速め | リズム技法、ノンクラシックのエッセンス | リズムや音価を明確に表現する |
ウェーベルン 子供のための小品 | 中程度 | 無調音楽入門、ウェーベルン入門 | 無調作品入門の方は特に、気づきにくい譜読み間違いに注意 |
カバレフスキー ソナチネ 第1番 第1楽章 | 速め | 構成の明確な弾き分け | セクション毎の性格の弾き分け |
► まとめ
これら3作品は、それぞれ異なる国の作曲家による個性豊かな作品です。短時間の作品なので発表会での単独演奏はもちろん、組み合わせての演奏や、他の時代の楽曲と組み合わせたプログラム構成も可能です。ブルグミュラー25の練習曲で培った基礎技術を活かしながら、より豊かな音楽表現の世界へと学習を進めてみてください。
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