【ピアノ】レッスンでの失礼のない手の抜き方:関係性をサボらない
► はじめに
※ 本記事の内容は、「大人の」ピアノレッスンを想定したものです。
ピアノの個人レッスンに通っていると、「毎週しっかり練習しなければ」と感じることもあるでしょう。しかし実際には:
・仕事が忙しい
・家事や育児がある
・体力的に余裕がない
・気持ちが乗らない
など、常に全力で音楽に向き合えるとは限りません。特に大人の学習では、長く続けることのほうが大切で、そのためには、実は「上手な手の抜き方」が必要になります。
ただし、ここで大切なのは「失礼のない形で手を抜く」ことです。
本記事では、個人レッスンを長く気持ちよく続けるために重要な、相手の存在を雑に扱わない「失礼のない手の抜き方」についてお話しします。
► 失礼のない手の抜き方
‣「練習できなかった」こと自体は問題ではない
まず最初にお伝えしたいのは、「練習できない週があること自体は、全く悪いことではない」ということです。むしろ、毎週完璧に練習し続けるほうが現実的ではありません。
そのため、以前大人にピアノを教えていたときに筆者自身は:
・今週は全然弾けませんでした
・練習時間が取れませんでした
・あまり進みませんでした
と言われても、基本的には全く気にしていませんでした。
問題なのは、「できなかったこと」ではなく、レッスンそのものを雑に扱ってしまうことなのです。
‣ 指導者側が本当にカチンとくるポイント
大人のピアノレッスンはもちろん、専門的な音楽や作曲のレッスンなどでも、時折こういう場面に遭遇します:
・前回と全く同じ楽譜(普段書き込みをする生徒だが、譜読みを進めた跡が一切見られない)
・前回と同じ印刷物やデータ
・日付すら更新されていないファイル
これらを、そのまま出されてしまうケース。
このとき、指導者側は、「前回言った内容を直していないから頭に来ている」わけではない場合がほとんどです。むしろ、「まあ、同じものをそのまま出せばいいか」と思われた事実が引っかかるのです。
個人レッスンは人と人との1対1のやり取りなので、相手の時間や集中力、エネルギーを受け取っています。だからこそ、「最低限、この場を大切に扱おうとしているか」は意外と伝わります。
「この時間を、処理イベントとして扱っています」という空気が出てしまうと、関係性は少し苦しくなると言わざるを得ないでしょう。
・「この場に対する最低限の意識すら払われていない感じ」
・「相手の時間を受け取る姿勢が消えている感じ」
こうした空気感は意外と伝わってしまうものです。
‣「失礼ではない手の抜き方」とは?
では、失礼ではない手の抜き方とは何でしょうか。
それは、少しでも「主体性」を加えて「今の自分の状態を整理して持ってくること」です。例えば:
「今週は新しく進める余裕はありませんでしたが、こういう曲を聴いてきたので、それについて話をさせてもらえますか?」
「今週は新しく進める余裕はありませんでしたが、前回のレッスンの復習をしました。疑問点が出てきたので今日教えてもらえますか?」
このように言われれば、「もちろん、いいですよ」となります。こういった形で来てもらえれば、レッスンとしては十分成立します。
これはある意味、「手を抜いている状態」かもしれません。しかしそこには:
・相手への配慮
・主体的なレッスンへの参加意識
・音楽との接点
が残っています。この差は、個人レッスンでは非常に大きいと言えるでしょう。
‣「完成」よりも「関係を切らない」ことが大切
ピアノ学習では、
・毎週成長し続けること
・毎回成果を出すこと
よりも、「音楽との関係を切らないこと」のほうが重要だったりします。
特に大人の学習では、
・低空飛行でも続ける
・細く長く続ける
・完璧を求めすぎない
ことが、最終的には大きな力になります。
だからこそ、「今週はできませんでした」でもいいのです。ただ、「何も考えずに投げない」という姿勢だけは、とても大切です。
► 参考:指導者側の配慮は
生徒側がこうした「前向きな妥協」を選択できるよう、指導者の側からあらかじめ「逃げ道のデザイン(サボり方のガイドライン)」を提示しておくことも非常に有効です。
筆者自身もレッスンを始める際、「どうしても進まない週は、前回の復習だけ、あるいは音楽の疑問点などを話す時間に変えても大丈夫です」と伝えるようにしています。結果として、甘えられたりすることもありましたが、継続にはつながっていました。
► 終わりに
個人レッスンは、ただの「実技のチェック」ではありません。そこには:
・人間関係
・信頼関係
・お互いへの敬意
があります。
そして実は、指導者側が見ているのは、「どれだけ完璧にできたか」だけではありません。むしろ、「この生徒は、音楽やレッスンをどう扱っているか」を見ていることも多いのです。
頑張れない週があっても大丈夫です。ただその中でも:
・主体性をゼロにせず、今の自分を正直に持って行く
・一言添える
・小さくても音楽との接点を持つ
こうしたことができると、お互いにレッスンはずっと気持ちよく続けやすくなります。「失礼のない手の抜き方」は、長く音楽を続けるための大切な技術の一つなのかもしれません。
問題は、単なる成果物の有無ではありません。「相手の時間や存在を、どう扱っているか」というコミュニケーションの質の問題です。時には練習はサボっても構いませんが、関係性(コミュニケーション)はサボらないようにしましょう。
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