【ピアノ】三枝成彰「ブルドッグのブルース」レビュー:難易度・収録曲・おすすめ曲を解説

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【ピアノ】三枝成彰「ブルドッグのブルース」レビュー:難易度・収録曲・おすすめ曲を解説

► はじめに

 

本記事では、三枝成彰氏作曲のピアノ曲集「ブルドッグのブルース」を紹介します。

難易度の目安から収録曲の特徴、特におすすめしたい曲のポイントまで、実際に楽譜を手にとった視点から詳しく解説していきます。「聴いたことはあるけれど、自分のレベルで弾けるのかわからない」「どんな曲が入っているか知りたい」という方に参考にしていただければ幸いです。

 

・出版社:カワイ出版
・初版:1983年
・ページ数:67ページ
・対象レベル:初級~中級

 

► この曲集はどんな作品?

 

作曲家・三枝成彰氏が手がけた、十二支の動物たちを主人公にしたユニークなピアノ曲集です。それぞれの曲にさし絵と作曲家自身が書いた詩が添えられており、ストーリーを読みながら音楽のイメージを育てていくという使い方もできる教材となっています。

全21曲(プロローグ・エピローグ・間奏曲を含む)が収録されており、作曲家の公式YouTubeチャンネルで全曲の音源が公開されているので、楽譜を手にする前に雰囲気を確認することもできます。

 

► 難易度について

 

「こどものための」と銘打たれていますが、収録曲の難易度の幅は広範囲に渡っています。比較的弾きやすい曲はブルグミュラー25の練習曲後半程度から取り組めますが、難しめの曲はツェルニー40番中盤程度まで幅があります。

また、音がシンプルな曲でも広い音程の和音アルペッジョが登場するため、手の大きくない学習者にはやや難しい箇所もあるかもしれません。

 

► 音楽スタイルの多彩さが魅力

 

この曲集の特筆すべき点は、収録されているジャンルの豊かさです:

・ラグタイム
・ブルース
・ロックンロール
・ボサノヴァ
・ワルツ・マズルカ・ポルカ・アルマンドなどの舞曲(ポピュラーテイストの仕上がり)
・その他、バラードや変拍子作品も

クラシックの学習者がなかなか触れる機会の少ないポピュラー系のスタイルがコンパクトなピアノ曲として凝縮されており、レパートリーを広げたい方にも理想的な一冊です。

 

► 収録曲一覧

 

1 プロローグ
2 ホップ,ステップ,木登りねずみ
3 めがねをかけた仔牛の大冒険
4 間奏曲 I
5 ホットケーキになったトラ
6 青い目をしたウサギのかなしみ ★
7 竜のおとしごの不幸な夢
8 へびがみたとってもみじかいゆめ
9 間奏曲 II
10 フォスターさんちの草競馬
11 おうまのバラード
12 マリーさんの羊は舞踏会 ★
13 間奏曲 III
14 ケンタッキーフライドモンキー
15 ロックン ロール
16 おっとっとっと にわとりさん
17 ボサノバ ハトポッポ
18 ブルドッグのブルース
19 お鼻の大きな猪は忘れんぼう
20 全員集合!
21 エピローグ

★ は特におすすめの曲(詳しくは後述します)

 

► おすすめ曲ピックアップ

‣ 青い目をしたウサギのかなしみ

 

難易度:ブルグミュラー25の練習曲修了程度

この曲集の中でもっとも広く演奏されている人気曲。しっとりしたバラードで始まり、中間部でテンポが上がってリズミカルに展開した後、再びバラードへ戻る「緩・急・緩」の三部構成が美しくまとまっています。

演奏のポイントとしては、中間部(Più mosso)のテンポをしっかり速めに設定することで、構成の対比がより際立ち、音楽的な表現が生まれます。そのぶん、バラード部分では焦らず落ち着いたテンポを保つことも心がけましょう。

 

‣ マリーさんの羊は舞踏会

 

難易度:ツェルニー30番中盤程度

楽しげな主題をもとに、ワルツ・マズルカ・ポルカ・アルマンドといった舞曲スタイルが次々と登場する、表情の変化が豊かな一曲。各舞曲はクラシックとポピュラーの中間のような親しみやすいテイストで、バロックや古典派ほどの様式的な厳格さはありません。

全体を通じて軽やかさが命の曲。特に左手が重くなり過ぎないよう気をつけましょう。ポルカ独特のリズムの揺れは、公式音源の演奏が参考になります。

 

► 音源と楽譜情報

‣ 全曲音源(公式YouTube)

 

作曲家の公式YouTubeチャンネルにて、全曲の音源が無料公開されています。楽譜購入前にぜひ一度通してお聴きください。

三枝成彰:こどものためのピアノ曲集「ブルドッグのブルース」より

 

‣ 楽譜

 

・こどものためのピアノ曲集「ブルドッグのブルース」 カワイ出版

 

 

 

 

 

► こんな方におすすめ

 

・クラシック学習者でレパートリーのジャンルを広げたい方
・さし絵やストーリーを楽しみながらピアノを学びたい方
・ピアノ曲の作編曲に取り組みたい方の分析・参考教材として

 

► 終わりに

 

三枝成彰氏は楽譜の「はじめに」の中で、この曲集の演奏ポイントを以下のように語っています。

この曲集は、あまりこまかいことにとらわれずに、とにかく楽しく弾いてもらえれば……と願っています。

楽しみながら音楽の幅を広げられる、ユニークなピアノ曲集です。ぜひ一度、公式音源で雰囲気を聴いてみてください。

 


 

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