【ピアノ】本番で反応がなくても落ち込まない:再会の種をまく考え方
► はじめに
ピアノの発表会やストリートピアノで演奏したのに、期待していたほどの反応が得られず落ち込んでしまった経験はありませんか。
「せっかく練習したのに…」「誰も聴いてくれていないのでは…」
そんな風に感じてしまうことは、とても自然なことです。しかし、その捉え方を少し変えるだけで、本番に対する向き合い方が大きく変わり、演奏そのものの質も向上していきます。
本記事では、一回一回の本番を「再会の種をまいた」と考えることで得られるメリットと、その具体的な考え方についてお伝えします。
► 音楽を「点」ではなく「線(今後の関係性)」で捉える
‣ 一回の本番ですべてが決まるわけではない
ピアノの発表会やストリートピアノ、ライブ配信など、その他様々な本番で演奏しても反応が返ってこなくて落ち込んでしまうという話をよく耳にします。そこで考えるべきは、音楽を「点」ではなく「線(今後の関係性)」で捉えることです。
一回で大きな反応がなくても、聴き手の無意識の記憶に「保存」させたと考えれば、それは大きな一歩だと思いましょう。
‣ 単純接触効果が味方になる
「単純接触効果」という言葉があります。人間は未知のものに対して、回数を重ねるごとに親近感を覚える性質があるのです。
つまり、今日の演奏で大きな反応がなくても、聴き手の記憶の片隅に読者さんの演奏が残っていれば、次に出会ったときに「あ、前にも聴いた人だ」という親近感が生まれます。これこそが「種をまく」ということなのです。
►「期待値」からの解放
‣ 反応を求め過ぎることの弊害
「いい反応が欲しい」というのは自然な欲求ですが、それが強過ぎると、反応が薄かったときに自分の価値まで否定された気分になってしまいます(いわゆる「くさる」状態ですね)。
演奏者としての自己肯定感が、他者の反応に左右され過ぎてしまうと、本番のたびに心が疲弊してしまいます。
‣ 本番のゴールを再定義する
「種をまいた」と考えれば、本番のゴールが「完璧な拍手」から「音を届けるという完了報告」に変わります。
この考え方の転換により、演奏中も余計な力みが抜け、結果的に次につながる良いパフォーマンスができるという好循環が生まれるでしょう。聴き手に「反応してもらう」のではなく、「自分の音楽を届ける」ことに集中できるようになるのです。
► 聴き手も「育つ」過程にいる
‣ 聴き手にも消化の時間が必要
聴き手側にも、その日のコンディションや音楽的背景があります。初めて聴く素晴らしい演奏や作品でも、その良さを消化するのに時間がかかる聴き手は多いと思ってください。
「今日の演奏という種が、聴き手の心という土の中で発芽するのを待つ」
そう考えると、反応がない時間は「無」ではなく「潜伏期間」だと思えませんか。
‣「知っている」ことの力
筆者は昔から様々な出演者が集まる演奏会に参加してきましたが、正直、知っている人物が出てくるとどうしても好意的に聴いてしまいます。やはり「一度どこかで知っている」ことは大きいのです。
演奏会でも、ストリートピアノでも、一度読者さんの演奏を耳にした聴き手は、次に出会ったときに無意識のうちに親しみを感じることでしょう。
► 自分自身で振り返ってみる
‣ オンラインでも同じプロセスが起きている
これはオンラインでも同様です。
例えば、あるYouTuberがピアノを弾いていて一回目は聴き流してしまっても、おすすめでまた現れて「あっ、この前の人だ」と思いもう一度少しだけ聴く。そして、ふとしたときにまた現れて気に入り、ようやくチャンネル登録する。
このような段階を踏んで何かに接近していくことは、誰にでもよくある体験ではないでしょうか。
‣ 読者さん自身の経験を思い出してみる
好きなアーティストや演奏家との出会いを思い返してみてください。一回聴いただけで熱烈なファンになったケースは少ないはずです。多くの場合、何度か接触するうちに徐々に惹かれていったのではないでしょうか。
読者さんも聴き手も、全く同じプロセスを辿っているのです。
► 終わりに
一回一回の本番を「再会の種をまいた」と考えることで、演奏に対する心の持ち方が変わり、結果的により良い演奏さえできるようになります。
反応がなくても落ち込む必要はありません。中には全く相性の合わない聴き手もいますが、基本的には、今日まいた種はいつか芽を出します。大切なのは、種をまき続けること。そのときの反応は相手が決めることですが、種をまくかどうかは自分でコントロールできることです。
では具体的にどう種をまき続けるのか。それは以下の記事で解説しているので、参考にしてください。
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