具体例を見てみましょう。
楽曲が変わっても考え方は応用できます。
モーツァルト「ピアノソナタ 変ロ長調 K.570 第1楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、78-81小節)
79小節目と80小節目のあいだに
セクションの変わり目がありますね。
79小節目まで弾いたら
1回目は曲頭へ戻るわけです。
ここはセクションの変わり目なので
時間をとってしまいがちなのですが、
もう少し慎重に眺めてみましょう。
(再掲)
80小節目は何のためにあるのでしょうか。
これは、81小節目以降をDes-durへ導くために
ドミナントを用意しているに過ぎない「付け足し」であり
音楽的にはそれ以上の意味合いは
ないと言ってもいいでしょう。
79小節目と同型反復しているわけなので、
セクションの変わり目だからといって
ここで時間を使わずに
80小節目の終わりまではノンストップで弾いてしまう。
そして、もし時間を使いたいのであれば
81小節目に入るVマークを補足したところで使う。
このようにしたほうが
楽曲の成り立ちの面から言えば
音楽的だと言えるでしょう。
同型反復のあいだに変な「間(ま)」が入る不自然さがなく
f から p になる対比効果も際立つからです。
これすら解釈のひとつではありますが、
いずれにしても
「時間をとるところは、必ずしもセクションの変わり目ではない」
ということは踏まえておきましょう。
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