作曲家ごとのサウンドってありますよね。
「~節」とか「~サウンド」といわれるもの。
例えば、
「ベートーヴェンっぽさ」
「ショパンっぽさ」
などと、ざっくりした言い方を耳にします。
では、
「ショパンっぽいとは思うけど、どういう点がショパンっぽさに聴こえるんだろう?」
ということを深く考えてみたことはありますか?
これ、是非やってください。
専門知識は必要ありません。
和声などの専門知識が必要な部分以外でも
たくさんの特徴がありますから。
これをおこなう利点は、大きく2つです。
◉ 新曲の譜読みや解釈に役立つ
今回は、後者について解説します。
ここでいう新曲とは、
必ずしも現代音楽のことではなく
「今まで出会ったことのない作曲家の作品」
のことを指します。
我々はどうしても
有名な作曲家の有名な作品ばかりに取り組みがちですが
世の中には
あまり知られていなくても
一生のレパートリーにふさわしいような素晴らしい作品は
たくさんあります。
そういった作品にいざ取り組むことになったとき、
「ショパンっぽさ」
「ベートーヴェンっぽさ」
などといった巨匠の特徴をしっかりつかんでいるかどうかで
譜読みや解釈への影響がまったく違うのです。
巨匠のサウンドの特徴をよく学んであれば、
新曲へ触れたときに
「この作品は確実にラヴェルの特徴が取り入れられつつも、少しバロック的だな」
などと気がつくことができます。
そうすれば、
「では、アゴーギクやタッチはロマンティシズムに偏りすぎないように気を付けてみよう」
などと、
方針のひとつを考えてみることができます。
あくまで一例ですし、
作風というのは
上記のことだけで片付けられるほど
単純なものではありません。
しかし、
こういったことを軽視しないでください。
マイナーな新曲というのは
「プロによる演奏音源」が少なければ
「解釈版楽譜」もありません。
自分ひとりでどれだけ作品の特徴をくみとっていけるかにかかっています。
そんなときに、
「数多くストックしておいた巨匠の作風に類似した部分を見つけられるかどうか」
まず最初のとりかかりとしては
これが大きいのです。
今どの作曲家の作品に取り組んでいますか?
モーツァルトでしたら、
「モーツァルトらしいサウンドは、どういうところなんだろう?」
と考えてみてください。
以前に取り組んだ同じ作曲家の作品を引っ張り出してきて
比較してみるのもいいですね。
そういった積み重ねがいずれぜったいに役に立ちます。
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