【ピアノ】J.S.バッハ シンフォニア 第1番 BWV787 全運指付き楽譜と練習のコツ

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【ピアノ】J.S.バッハ シンフォニア 第1番 BWV787 全運指付き楽譜と練習のコツ

► はじめに

 

本記事では、J.S.バッハ「シンフォニア 第1番 BWV787」に取り組む方のために、「全運指」を付けた楽譜を提供し、練習のヒントも解説していきます。シンフォニア入門として最適な一曲に挑戦してみましょう。

 

►「全運指」の解説

 

この楽曲はパブリックドメインです。運営者が浄書ソフトウェアで作成した楽譜を使用しています。

 

 

運指について重要な注意点

この運指は一例です。手の大きさや個人差に合わせて調整してください。また、どのようなアーティキュレーションを付けるのかによっても適切な運指は変わります。お手持ちの楽譜の内容と照らし合わせながら、必要に応じて参考にしてください。

 

► 具体的な練習のヒント

‣ 適切なテンポ設定

 

推奨テンポ設定:

練習開始時:♩= 50-60(正確性と安定性重視)
中間段階:♩= 60-68(表現力の向上期)
目標テンポ:♩= 69(ヘルマン・ケラー提案)

 

なぜ、このテンポが適切なのか:

ヘルマン・ケラーが提案する♩= 69 は、以下の特徴があります:

・楽曲の素朴で親しみやすい性格を損なわない速度
・標準的なテンポ設定として広く受け入れられている

 

‣ 演奏上の重要なポイント

· 弾き直し音符の処理方法

 

基本的な考え方

同じ音が連続して現れる場合の処理方法について解説します。

 

譜例(曲頭)

2小節1拍目のレッド音符C音のように、4分音符で伸びている音の直後に同音を弾く場合:

・弾き直した音を適切な長さで伸ばす
この例では、ブルー音符で示したC音を付点8分音符分の長さで保持

 

同様の処理が必要な箇所:

・6小節4拍目
・10小節2拍目

 

譜例(曲尾)

ここでは、レッド音符からタイが伸びているため、ブルー音符を「タイが付いている8分音符」として弾きましょう。

 

注意すべき例外

こういった考え方は、シンフォニア全15曲の同様の箇所で応用できますが、注意すべき例外もあります。例えば、以下のような箇所です。

 

J.S.バッハ「シンフォニア 第4番 BWV790」

譜例(5-6小節)

5小節1拍目では、弾き直したD音で伸ばすと濁ってしまうため、この処理は避けましょう。

 

· 両手の受け渡しポイントの統一

 

譜例(13-16小節)

運指決定の原則:

・類似箇所での一貫性を保つ
・暗譜時の記憶しやすさを考慮
・13小節目と16小節目で同じ受け渡しパターンを使用

 

13小節目では、レッド音符から右手に受け渡すのが一案です。一方、直後のブルー音符から渡すこともできてしまいます。こういった時は、後々暗譜をする時のことも考慮して、同曲の他の箇所との統一性を重視するといいでしょう。具体的には、16小節目に似た箇所があるので、ここでの受け渡す位置と統一させるということです。

運指決定のコツとして、他の楽曲にも応用させましょう。

 

► 終わりに

 

シンフォニアの入門に適した、3声の対位法の美しさを学べる作品です。段階的に練習を進めてみましょう。

この作品についてさらなる演奏ヒントが必要な方は、以下の解釈版を参考にしてください。

 

・園田高弘 校訂版 J.S.バッハ シンフォニア BWV787−801

 

 

 

 

 

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽の作曲・編曲をしたり、音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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