「ピアノ・ペダルの芸術」 著 : アルガーノン・H.リンド 訳 : 北野健次 / 音楽之友社
という書籍に
以下のような文章があります。
例えば、
p や pp を見るや否や
決まったように必ずソフトペダルを踏んでしまう演奏を
耳にすることもありますが、
それは「ソフトペダルが音色も変える」ということを
忘れているからでしょう。
仮に覚えているのであれば、
いつも同じような効果を出してしまっている状態を
客観的に把握できていないのでしょう。
弱奏でソフトペダルを使おうと思ったときには、
ただ音量のことだけを考えるのではなく
「その箇所で、ほんとうにソフトペダルを使ったときの音色が必要なのか」
ということを必ず検討してください。
また、色彩を変えるのはダンパーペダルも同様です。
ダンパーペダルを踏むことで
すべてのダンパーが弦から解放されるので
弾いた鍵盤に対応する弦以外の弦も共鳴し
とても音色が豊かになります。
しかし、
この豊かになったウェットな音色のみでなく
ノンペダルのときのドライな音色も使われるからこそ
その差が色彩の魅力になるわけです。
常にダンパーペダルが効きっぱなしというのは
むしろ豊かな響きをムダにしていることになってしまう。
どのような場合に色彩を使うべきか、使わずにおくべきか
というのは、
正直、奏者の表現したい内容と楽曲によりけりで
一概には言えません。
しかし、
「各種ペダルを使うことによって、いつもいつでも同じ色彩になってしまわないように気をつける」
このことに意識をもつべきなのは
どの楽曲の場合も原則変わりません。
上記抜粋の
「色彩は無差別に使われてはならない」
このひと言を決して忘れないようにしましょう。
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