「ツェルニー 毎日の練習曲」という教本をご存知ですか。
筆者はそれほど使ってはいませんが、
「ごく短い単位を徹底的に繰り返す」
という、取り上げられている方針自体は
非常に効果的なやり方だと感じています。
「各小節を中断しないで、20回くり返す。」
などと書かれていたりして、結構スパルタですが。
ヴァイオリン教本でいう「ŠEVČÍK」と似たやり方。
ヴァイオリン・メソッドで幅広く使用されている
「ŠEVČÍK VIOLIN STUDIES OPUS1 PART1」では、
ごく短い単位を徹底的に繰り返し、
要素を細かく切り分けて
ていねいに積み上げて行くやり方がとられています。
大人のピアノ学習者は「考える力」があるので、
弾けないところがあったら
「要素を切り分けていく」のが良いと思っています。
がむしゃらに練習するのでなく。
「ツェルニー 毎日の練習曲」や「ŠEVČÍK」のように
「リピート記号があり、繰り返せる内容」
を徹底的に反復するのも良いですが、
一般的な楽曲をごく短く区切って反復する練習自体にも意味があります。
うまく弾けていない部分を洗い出すことができるからです。
長い単位で通してばかりいると
そういったところに気づかず、通り過ぎてしまう。
例えば、
「4小節間ひたすら速く動くパッセージ」
があるとします。
それがうまく弾けない場合、
技術全般的に足りていないというよりはむしろ、
「どこか一箇所が転んでいるせいで、その前後も崩れてしまっている」
という程度の理由でしかない場合は多いのです。
この場合、
「1小節単位」もっと言えば「1拍単位」まで細かく区切って
徹底的に磨き上げるのがベストな練習方法です。
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