【ピアノ】技術的な都合で上下段に分けられた団子和音に注意

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右手パートの音と左手パートの音が
共にひとつの団子和音をつくっているケースでは、
その事実を把握しておかないと
表現上、問題が発生する可能性があります。

 

具体例で見てみましょう。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

ドビュッシー「前奏曲集 第1集 亜麻色の髪の乙女」

譜例(PD作品、Finaleで作成、8-9小節)

右手パートは

上声がメロディ、下声がハーモニー。

この下声のハーモニーは

左手パートの和音と合わさってひとつの和音をなす音であり

独立した声部ではありません。

右手で演奏したほうが弾きやすいため

どちらの手で弾く音なのかを判断しやすいように

右手パートに書かれているだけのこと。

 

このような

技術的な都合で上下段に分けられた団子和音には注意してください。

それらが合わさってひとつの響きをつくっていると

把握しておかないと、

右手で弾く和音の一部の音を無意味に抽出して際立たせたり

まったく異なる音色で弾いたりと

表現上の問題が生じてしまう可能性があります。

 

(再掲)

譜読みのときには、

技術的な都合で上下段に分けられただけなのか

それとも、

ほんとうにひとつの別声部として独立させて欲しいから分けられているのか

ということを考えるようにしましょう。

 

譜例のところでは、

右手パートの下声部は

「Des – Es – Des – Es」

などと、特別にメロディックな動きをしているわけではない

ということと、

左手パートの団子和音と

単純に同じリズムで動いているということ、

この2点から考えて

技術的な都合で上下段に分けられただけだと判断できます。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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