【ピアノ】音型を頼りに表情の付け方を考える

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「音型を見て、表情の付け方を考える」
という観点を忘れないようにすると、
シンプルな楽曲を仕上げるときに
たいてい上手くいきます。

 

具体例を見てみましょう。

楽曲が変わっても考え方は応用できます。

 

モーツァルト「ピアノソナタ第14番 K.457 第1楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、23-26小節)

この4小節の小楽節は

「2小節の動機 × 2」

で成り立っていることを読み取り、

それぞれの2小節をどう表現するかを考えましょう。

カギマークAとカギマークBの比較が必要です。

 

カギマークAのほうは

前半の2小節をまとめて

次の小節へつないだだけのもの。

つまり、

強調せずに「あいまいに溶かす」くらいのイメージで

サラッと次の小節へ進むといいでしょう。

 

一方、カギマークBは

Aのものよりも高い音域から

長い時間をかけて降りてくるので

より表情的だと言えます。

ロマンティシズムに歌う必要はありませんが、

矢印で示したオクターブ跳躍を意識するなど

音程関係で表情を付けるといいでしょう。

 

(再掲)

「音型を頼りに、表情の付け方を考える」

という観点を忘れないようにすると、

譜例で取り上げたような

シンプルな楽曲を仕上げるときに

たいてい上手くいきます。

 

上記のようにメロディを音楽的にまとめたら、

あとは、

左手の親指で弾くB音が大きくならないように気をつけ、

メロディックなバス音がさりげなくメロディをサポートしていけば

美しい4小節間に仕上がります。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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