自分では気が付かないうちに
テンポが大きく変わってしまっていることって
意外とあります。
そうなりやすい代表的な譜例を2つ挙げますので、
取り組んでいる作品で
似たような箇所が出てきたときには
注意してみて下さい。
■テンポが変わってしまいやすい箇所の代表例
♬ 一例 〜古典派の作品より〜
ベートーヴェン「ピアノソナタ第23番 熱情 ヘ短調 op.57 第1楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、44-47小節)
47小節目へ入ったときにテンポが変わってしまう演奏を
よく耳にします。
直前がトリルのみで
拍を刻む要素がいないため、
テンポ感覚や拍感覚を失いがちだからでしょう。
対策としては、
47小節目でテンポキープを心がけることはもちろん、
トリルの箇所で
体内のカウントをとることが欠かせません。
それをしていないと
演奏者の中のテンポが不在になるので
基準がなくなってしまう。
つまり、47小節目でテンポキープのしようがないんです。
♬ 一例 〜ロマン派の作品より〜
似たような例を
今度はロマン派作品よりひとつ挙げます。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、70-75小節)
「長く続くトリル」があるため
8分音符で動き出したときに
急にテンポが変わりがちです。
この作品は
比較的自由にテンポを引き伸ばして弾くことも多く、
必ずしもメトロノームに合うようなやり方で
テンポのつじつまを合わせる必要はありません。
しかし、
トリルをしている間も
「今、どの小節の何拍目を弾いているのか」
という意識は持っていてください。
「ショパンはわざわざ4小節間トリルを書いている」
ということに着目しましょう。
フェルマータで引き伸ばしているわけではないのです。
まずは、楽曲の骨格を理解して弾く。
自分なりに色をつけるのは
それからにしましょう。
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