ピアノ演奏にも役立つ「楽曲分析(アナリーゼ)」方法は
今までにも多く記事にしてきました。
参考記事:「楽曲分析(アナリーゼ)方法」カテゴリー
今回は、
あなたにもっと手を動かしていただく分析方法を
紹介します。
「要約楽譜をつくる」
つまり、
「簡略化した譜面を作ってみる」ということ。
「作る」と言っても、作曲するわけではありません。
あなたが取り組んでいるピアノ曲の楽譜から
要点を抜き出すだけですので
どなたでも取り組んでいただけます。
例えば、以下のように作ります。
ベートーヴェン「ピアノソナタ第30番 ホ長調 作品109 第1楽章」
譜例(PD作品、Finaleで作成、65-73小節目)
65-73小節目を使って、
大枠の基礎になっている「4分音符のメロディ」のみを抜き出しました。
このように核となる大事な部分のみに要約すると
「楽曲の骨格」が見えてくるのです。
そして、楽曲の理解が深まることで演奏に活かすことができます。
例えば、
「右手の ”問いかけ” に対する ”応答” のような役割として左手が出てきているな」
などといった発見がありますよね。
そうすると、
「右手の ”先行句” より左手の ”追行句” の方が目立ってしまったら、音楽的に不自然だな」
などと、表現の参考になります。
このような要約楽譜を作る場合は、
聴かせたいラインすべてを抜き出すのでもいいですし、
もっとざっくりと
核となるラインのみに目をつけるのでもOK。
「元の楽曲を簡略化して、あなたにとって見やすく要約する」
ということを目指しましょう。
これは、筆者が学生時代に著名な作曲家から習った分析方法です。
楽曲について理解が深まり、もちろんピアノ演奏にも活かせます。
問題点は、
「作成することを手間と思わずに時間かけられるかどうか」
ここにあるでしょう。
「そんなことをする時間があるのなら、その時間を使ってピアノに向かった方がいいだろう」
などといつもの状態に戻ってしまわないかどうかです。
ただ、心配はいりません。
楽曲すべてを要約する必要はないからです。
「ここは複雑で把握しにくいから要約してみよう」
などと、
気になるところのみを部分的に要約すればいいのです。
全部書かれた楽譜を見ていた時には気がつかなかったことが
たくさん見えてきますよ。
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