具体例で見てみましょう。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
ブラームス「4つの小品 第2番 間奏曲 Op.119-2 ホ短調」
譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、曲尾)
最後から2小節目を見てください。
ここでは深いバス音が弾かれますが、
小節途中に
作曲家自身によるフィンガーペダルの指示と
ペダルチェンジがあります。
これらは、ある見方からすれば
「デクレッシェンドをサポートするためのもの」
と考えていいでしょう。
和声自体は変わらないので
最後までペダルを踏みっぱなしでも成立はします。
一方、ペダルチェンジをすることで
バスが2オクターヴ上がることになるので、
ものすごく低いバスを響かせっぱなしにするよりも
デクレッシェンドをしている印象が強くなる。
(再掲)
また、バスがいきなり2オクターヴ跳んで
音響が変わり過ぎるのを防ぐためか、
上がったときのバス音に
アクセントが書かれており
響きのサポートがされています。
このような書法がとられることで、
音楽を「音の大きさ小ささ」のみでコントロールするのではなく
音遣いとしても
エネルギーの動向を表現していることになります。
音楽的な書法であると言えるでしょう。
ささいな部分に
作曲家の才能と工夫が隠されていますね。
楽曲理解やピアノアレンジの参考にしてください。
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