具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
ショパン「エチュード(練習曲)op.25-11 木枯らし」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
左の譜例は原曲です。
それを右の譜例のように演奏すると
レガートに聴かせることができます。
つまり、
「少しだけ音をオーバーラップさせる」
ということ。
音は減衰していても
わずかなオーバーラップが耳に入ることで
錯覚としてレガートに聴こえる、
というわけなのです。
譜例では32分音符ぶんオーバーラップさせましたが、
楽曲のテンポなどによっては
もっと短くしても長くしても成立するので
自分の耳を良く使って
最適な被せぐあいを探っていく必要があります。
明らかに濁った印象に聴こえてしまってはいけないので
被せ過ぎに注意します。
オーバーラップに関しては
◉ 指とダンパーペダルの両方で残す
これらのどちらの方法をとるかについて
決まりはありませんが、
レガートに肉薄していくことを考えると
可能であれば
指とペダルの両面で表現するのがベターでしょう。
指で表現する際、
ただ単にONとOFFのスイッチとして
被せぐあいをコントロールするのではなく、
「次の音へどのように指を送り込むのか」
という観点をもつといいでしょう。
例えば、
【30秒で学べる】「レガート奏法 〜ブルグミュラー[牧歌]を題材に〜」ワンポイントレッスン
という記事で紹介している
「砂かき分け奏法」では、
自然と各音同士がオーバーラップすることになります。
だからこそ、
この奏法で出てくる音はレガートに聴こえるのです。
レガート・カンティレーナは
さまざまなところで使えますが、
◉ 単旋律のメロディ
この2つの条件がそろった場合に
とりわけ良い効果を期待できます。
レガート・カンティレーナを実践するサウンドは
そうでない場合と比べて
ほんの少しの違いのように感じるかもしれません。
しかし、
ピアノの名人は
こういった細かなテクニックを確実に身につけています。
譜例のようなシンプルなメロディを使って
少しずつ練習してみましょう。
以下の書籍を参考にしてください。
◉ 最新ピアノ講座 第6巻 ピアノ技法のすべて 音楽之友社
Amazon著者ページ
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