具体例で見てみましょう。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
ベートーヴェン「ピアノソナタ第23番 熱情 ヘ短調 op.57 第3楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、28-31小節)
この箇所は弾きにくい印象です。
右手が動き回っているのに、
左手が交差して
なおかつ、16分休符混じりのリズムが入ってくるので
タイミングをとりにくく縦の線を合わせづらい。
右手のパッセージは
それほど弾きにくい動きはしていません。
つまり、解決したいのは「左手」の奏法。
攻略のカギは、
「16分音符の直前の休符のとり方」
これにかかっています。
何かにうまくいかないときは
その直前で失敗している可能性が高いんです。
休符のとり方に直結する演奏ポイントは、
28小節目および30小節目の
バスF音を音価分しっかり伸ばすこと。
そうすることで
「休符の始まる位置」が明確になります。
他の注意点としては、以下の3点。
◉ 交差打鍵は、鍵盤の近くからおこなうこと
◉ 交差打鍵の16分音符は強く弾こうと思わず、直後の sf の音へ向かう意識をもつこと
ここまでの注意点を意識できれば、
あとは「ゆっくり練習(拡大練習)」も取り入れながら
とにかくやるしかありません。
他の楽曲にも
このような「縦の線のタイミングが合いにくい例」は出てきます。
もう2例挙げておきましょう。
シューベルト「ピアノソナタ 第19番 ハ短調 D 958 第1楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、18-20小節)
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、113-115小節)
これらの譜例の箇所に
手の交差は出てきませんが、
基本的な注意点は同様に考えてください。
「直前の休符のとり方」がポイントです。
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