J.S.バッハの作品では、
一番最後の終止音の後にある複縦線をみると、
その上にフェルマータが書かれている作品もありますよね。
「2声のインヴェンション」などでも見当たります。
一方、複縦線の上ではではなく、
「終止音の上」にフェルマータが書かれている作品もあります。
こちらの方が多くの作曲家が用いている方法です。
J.S.バッハはこの2つの位置を明確に書き分けていますが、
「複縦線上のフェルマータ」は
どのように解釈すればいいのでしょうか。
あらゆる音楽家から信頼されているJ.S.バッハの研究家、オルガン奏者である
ヘルマン・ケラーは
―生きた演奏のための基礎文法 著 ヘルマン・ケラー」(音楽之友社)
という書籍の中で次のように説明しています。
(以下、引用)
音楽が聞えないながら響き続けているようにせよというのであって、
終止和音が延ばされるのではない。」
(引用終わり)
つまり、
という意味でのフェルマータだということです。
確かに、
音自体は消えていても、
消えた直後であれば
終止音の響きは聴衆の印象に残り続けています。
ちなみに、
「対位法」という音楽理論の過程のなかで
「消えていても印象に残っている音」と
「その後に実際に鳴らす音」
これらの両者で不協和音程を作ることまでも
厳しく指摘している流派があります。
そのことからも、
「心理的な余韻」がその音楽を聴いている聴衆にとって
重要な要素であることがうかがえます。
◉「フレージングとアーティキュレーション
―生きた演奏のための基礎文法 著 ヘルマン・ケラー」(音楽之友社)
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