「バス音を深く響かせて、それ以外の音はバスの響きの中へ入れるように柔らかく弾く」
これが、
アルペジオ伴奏を演奏するときの基本です。
ただし、例外があります。
具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、10-12小節)
ここでは、
上昇音型にクレッシェンド、
下降音型にデクレッシェンドが書かれています。
この場合は、
バス音を出してしまうと
クレッシェンドの頂点が活きません。
バスではなく、
むしろ音型の頂点のほうを表現することになります。
「波のような効果」や「うねり」などを表現したいとき、
特に情熱的な曲想では
良い味を出せる解釈となります。
この楽曲では松葉が書かれているので
作曲家の意図を理解しやすいのですが、
書かれていなくても
このやり方を取り入れること自体、間違いではありません。
例えば、
テレビ番組「スーパーピアノレッスン 巨匠ピレシュのワークショップ」の中で
ピレシュが同様の弾き方を推奨していました。
松葉が書かれていない、
ショパン「幻想即興曲」の左手に対してです。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、5-6小節)
音型の頂点(折り返しの部分)を表現することで
アルペジオ伴奏を
ウタへと生まれ変わらせることができます。
解釈のひとつとしてはアリでしょう。
もちろん、
「バスを深く、他の音は隠して」
という基本奏法で
この楽曲を演奏しているピアニストも多く、
解釈にぜったいの正解はありません。
両方の解釈をストックしておき、
楽曲によって
表現したい内容によって
使い分けていきましょう。
【ピアノ】情熱的なアルペジオ伴奏の音楽的な演奏方法
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