【ピアノ】曲集は何周もすべき?

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本記事では、
「何周もすべき楽曲」について解説しています。

 

時々、以下のような質問をいただきます。

「ツェルニーの2周目に入るのと、先に進むのはどちらがオススメですか?」

結論的には

「しっかりと1周したのであれば、先に進むべき」

と答えます。

前提として、

同じ作品を弾きこむこと自体には賛成です。

技術的に定着し、音楽的な理解も深まるからです。

しかし、

「何周もするのは、レパートリーにしてもいいと思う曲(または曲集)でおこなうべき」

というのが筆者の考えです。

 

世の中にはたくさんのピアノ曲があります。

今日も世界各地で新曲が生まれています。

仮に毎日1曲聴いても生涯で聴ける曲数は

総数の1割にも満たないでしょう。

ましてや、

生涯で “弾ける” 曲数はもっと限られます。

そんな中、

演奏会レパートリーに入れることがまずないであろう

訓練的エチュードに何周も時間を費やしていてどうするのでしょうか。

 

練習の過程としてそういった楽曲に取り組むことは

アリでしょう。

基礎力が上がりますし、筆者自身も取り組んできました。

一方、

“何周も” 弾きこむのであれば、

レパートリーにしてもいいと思う曲(または曲集)でおこなったほうが

余程有意義だと考えます。

 

たとえば、

◉ J.S.バッハ「2声のインヴェンション」全曲(全レベル共通)
◉ ショパン「エチュード op.10 および op.25」(上級)

もう少し練習曲的志向が強い曲集だと、

◉ モシュコフスキー「15の練習曲 op.72」(中〜上級)の中の数曲

など。

これらは、

一部の練習曲と違ってそれ自体がレパートリーになるので、弾き込む意味があります。

また、「ハノン」などの

繰り返し弾きこむことを前提に作曲されている楽曲も

弾き込む意味があると言えます。

 

決してツェルニーの全ての楽曲がレパートリーになり得ないとは思いません。

しかし、

世の中には本当に魅力的な作品がたくさんあります。

もっと広い視野でピアノ音楽の世界を見ていきましょう。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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- ツェルニー (1791-1857)
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